果たしてオルカンは本当に安全なのか⇒30年後にならないとわからない⓵
PEが示唆した出口リスク
先日はJTG証券が開催するニューバーガー・プライベートエイクイティファンドのセミナーへ取材してきたが、ブル投資家が多いと予想していただけに実際の会場で待ち受けていたのは「守りの投資」目的で入った高齢投資家であった。
ニューバーガー・プライベートエイクイティファンドの長所として月に1度、解約のチャンスがあると言うことが挙げられていたのであるが、基本的にプライベートファンドは出口が狭いファンドであるため、流動性資金が枯渇すると解約が制限される。>こうしたプライベートファンドと言うのは「ちゃんと資料を読めば」であるが、出口の狭さが分かりやすい。
しかし、プライベートファンドの出口の狭さがわかったからこそ疑義が湧くものもある。
オルカンは果たして大丈夫なのかと。
確かにオルカンはPEと異なり、売ろうと思えばいつでも売ってしまうことが出来る。
しかし、オルカンの目論見書を読むと、出口封鎖リスク自体はしっかり書かれているのだ。
20年後に起こり得るラットレース
1・41オルカンの取り扱いがスタートしたのは2018年10月31日である。
本記事執筆時点で商品としての歴史自体が「たったの7年半」しかない。
本格的に流行ったのは新NISAが出た辺りの話で、この2-3年の世界相場は「オルカン構成銘柄の株が上がる⇒上がるから買う⇒買うから上がる⇒上がるから買う」のパッシブ・バブルである。
ここで多くのパッシブ投資家が見落としている点が20年後の出口だ。
20年後はなんの時代かと言えば、第一次オルカン民と考えられる中期氷河期世代が売りに転じる頃合いである。
その恐ろしさはオルカンと言う商品の持つ「複利(再投資)で資産価格を最大化させる」と言う方式であり、オルカンは売却しないと実利を得られないことにある。
更にオルカンの類似ファンドを扱っているのは日本だけではない。
米国でも英国でも韓国でも似たようなファンドが存在している。
なかでも日韓が悲惨である。
| 日韓英米の2024-2025年出生率(Gemini推計) | |||
|---|---|---|---|
| 日本 | 韓国 | 英国 | 米国 |
| 1.15-1.20 | 0.72-0.75 | 1.41-1.53 | 1.66前後 |
高齢化率が際立っているのが日本であり、出生率の低さが際立っているのが韓国でる。
第一次オルカン民と推定される45歳前後の人間が定年退職していくのは2045年頃。
30年後には、ゆとり世代の解約が始まる。
オルカンは買い手となる若者より解約をする高齢者の絶対数が多くなるのだ。
こうなれば出口は渋滞、こんな人口構造による市場パニックは人類はまだ経験していない。
正にラットレースの世界である。
30年後の金融危機が約束された恐怖のラットレース
オルカンの商品としての性質、かつ他国における類似商品の派生から、将来の金融危機は約束されている。
我々は2026年現在、パッシブバブルの真っただ中で生きており、永遠の成長と言うナラティブ、買えば上がる⇒上がるから買う⇒買うから上がるのモメンタムにのったパッシブクルージングは30年後に氷山にぶつかるように仕組まれたタイタニック号である。
ひとたび氷山にぶつかればボートを我先にと確保したいラットレースとなる。
